個人タクシーと言う職業はいったい何なのか
消えゆく職業ランキングに登場するかもしれない「個人タクシー」と言う職業ですが、
地方の方などは見たこともないかもしれません。
かつて長妻代議士が取り上げた「居酒屋タクシー」とは一部の個人タクシーの暴走的行為です。
若い人で個人タクシーになりたい人は居ないと思いますが、あまり知られていない個人タクシーの真実につて書いてみたいと思います。
目次
1、個人タクシーの一日
まずは寝ます。寝ることは一番重要な仕事です。
居眠り運転タクシーには乗りたくないでしょ。
健康維持が絶対条件の仕事だと言うことはⅡ種運転免許の仕事全般に言えます。
一日8時間は寝たいです。まあ7時間でもいいです。それ以下は絶対にダメです。
それ以下になった場合は休みます。または昼間短時間仕事をします。
で、起きるんですが、何時に起きるのかはその人それぞれの仕事計画によります。
銀座の規制時間は夜10時~1時なので、銀座で仕事をする人のメインの時間帯になります。メインだから規制してるんです。
ここを狙う場合は8時には出庫したいです。家が練馬とか足立の奥地の場合はもっと早く。
基本的には家を出てから出庫まで30分くらいかかります。点検作業がありますので。
出庫して銀座に向かうとして、回送で行くか空車で行くかは考え方次第です。
回送で優雅に銀座に向かうような時代ではないと思いますが。
客を乗せて規定の料金を頂いたら全額自分の財布に入ります。
ここがサラリーマン運転手との大きな違いです。摂取されないのです。
降ろした場所が川崎市だったとして、帰り際に手を上げられた場合はだいたい拒否します。
法令では東京に向かう場合に限り仕事をしても良いと言うことになっているのですが、違った場合のトラブルが怖いのです。
さて、8時から仕事を始めたとして、4時に帰庫した場合は8時間の営業なので普通です。
沢山客がいた場合や逆に全然いない場合などはケースバイケースになります。
普通は翌日の仕事のことも考えて帰庫時間を判断します。
家に帰ったら家族は寝てるので近所の牛丼屋で朝食を食べて、静かに風呂に入ってから寝ます。起きるのは昼の2時くらいになります。
2、みんなそんな感じ?
これは違います。
例として挙げたのはリーマンショック以前のただ出れば金になる時代の個人タクシーです。
現在もそんな感じが主流ですが、相当分散して勝手に隙間を狙った営業が多いです。
例えばワールドカップ中は試合観戦後に出たほうが無駄に待っている時間が無くなります。
お客さんが多い時間帯は、朝5時~9時、10時~12時、22時~26時、と分散しているので、どこを取るのかは自由です。
ただし、深夜は長距離が多く道が空いていて効率がいいことは間違いないです。
3、個人タクシーは儲かるの
タクシー運転手は例外なく微妙に貧乏です。
どう工夫しても儲ける抜け道は無いのが事実です。
年間の売り上げが一千万を超えると消費税を払わなくてはならなくなるので、なんとしても超えられないのです。
個人タクシーであれば都内23区内に2LDK以上のマンションに住んでいるのが普通です。
それが限界ですかね。余裕は無いです。
3、必要経費は
結構かかります。
組合費(保険含む)5万、駐車場3万、ガソリン代4万、車のローン7万、車の維持費(車検など含む)3万、公的手続きの月割り1万、重量税3,000、自賠責3000
これが月にかかる経費です。事故ったら莫大な金額になります。
23万6千円となりますが、売り上げ60万(年で720万)なら残りは36万4千円ですね。
さらに、夫婦二人だけとしても、国民保険と国民年金と収入税、区民税で9万円くらい行きそうです。
残りは27万4千円、マンションローンが9万円管理費が2万円とすると、微妙な貧乏人が出来上がります。
海外旅行とかしたかったら女房も働いていないと無理ですね。
4、結論
昭和の時代に確立した職業の場合はがんじがらめで、隙間を狙うのが難しいのです。
時間が自由になるところを利用して考えないと優雅な生活は出来ませんね。
若い個人タクシー運転手は株やFXや仮想通貨に手を出してそっちが本業になってる人も多いです。
現在個人タクシーは新規開業が認められていないので、譲渡による介入以外にはありません。
年々ハイペースで事業者が減っているのはそれが原因です。
国交省としては個人タクシーは必要ないと言う考えのようです。
時間が自由で万単位のチップ、客を乗せれば2万以上、そして節税(笑)し放題、
これは昭和の個人タクシーです。
まだと内には1万人以上の個人タクシーがいますが、大台を切るのも近そうです。
レトロ職業になっていきますね(笑)
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