早朝の新宿ゴールデン街を行く
アニメ「ラーメン大好き小泉さん」で紹介された新宿ゴールデン街の「朝ラーメン」
本当にあるのかと思ってちらちら見てるのですが、ここはまずただでは通れない。
客の乗る確率70%というゾーンなのです。
410円~1万円以上ですが、千円前後の人が大部分なので個人タクシーはまず通りません。
私は底辺個人タクシーなので、毎日5回くらい通ります。
収入の10分の1くらいはここかもしれません。
少ないですか?通り道なので期待はしていないんですよ。
最近は巨大ヘルスセンターが出来て外観を損ねてしまったんですが、東京でも数少ない昭和のムード漂う怪しい飲み屋街の代表です。
大阪のミナミあたりにはいくつかありそうですが、東京ではどんどん減っています。
まず、ギターを持った流しが数人いるところに風情を感じます。
たった数人というなかれ、ゴールデン街は50mほどの小道が3本ほどの狭い地域なのです。
それで数人の流しが生きていけるのだから大したものです。
流しのじいさんに曲の覚え方を教わったことがあります。
とにかく紙に何度も書いて覚えるのだそうです。
演歌に限らずすべてのビジネスに通用するありがたい教えだと今でも思っています。
ゴールデン街といえば文化人の吹き溜まりとして有名でした。
文化人というものは吹き溜まるものなのか?という疑問はごもっともですが、東京周辺の年配の文化人でゴールデン街に行ったことがない人はほとんどいないようです。
あんな狭い、見世物も特にない古い建物でも、今も酔っ払いが絶えることはありません。
365日酔っ払いがうろついているのですよ。
おかまのじいさんの客引き、最近見ないけど寝込んだかな?
どの店のマスターも一見で只者ではない風体ですが、最近は自称ネット文化人に辟易としているようでもあります。
いつの時代でも文化人というものは貧乏で口だけだったとは思いますが。
大ガードから靖国通りを上って区役所通りのT字路を超えて50mほど先の最初の左折路地を曲がります。
すぐに交番が見えてきますが、ここはDQNに絡まれないための命綱です。
交番を越えた先がゴールデン街の小道の出口が並んでいるところです。
明らかな酔っ払いが手を挙げる。
ああ~俺は小泉さんで見た朝ラーメンを探しているのに~
「ちょっと遠いんですが、鎌倉まで」
気持ちはすでに、「初台南」で乗って「用賀」から環八通って「第三京浜」そして・・・
などということは3か月に一回くらいしかありませんので。
タクシー運転手はうまいラーメン屋を知っているという話はデマです。
ラーメンなんて食ってる暇はないのです。
郊外に出たときに駐車場のある吉野家かなんかで食事してるのが普通です。
私は家に帰って食事してまた出ていきますが。
それだけ駐車取り締まりが怖いのです。
ゴールデン街がスカなら、左に曲がって風鈴会館、さらに左で新宿区役所、靖国通りを右で大ガードに向かって客を探します。
オリンピック景気で湾岸大繁盛の時代に新宿ゴールデン街の底辺個人タクシーは見たことがありません。
自分以外は。
申し訳ありません。ただの業務日報でした。